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【実践知】IPO・M&Aを見据えたキャリア設計とは?
2025.05.26
求職者向け

― エグジット視点で描く、ハイレイヤーの新たな挑戦
「IPO準備中の会社に入れば、ストックオプションで一発逆転できる」 「M&Aされる側で経験を積めば、転職市場で有利になる」
こうした声を耳にする機会が増えました。しかし、私たちは日々ファンド投資先やスタートアップ支援の現場に携わる中で、“エグジットを前提とした転職”が甘くない世界であることも痛感しています。
この記事では、IPOやM&Aを見据えたキャリアの築き方、そのメリットとリスクを、弊社の支援実例を交えてリアルにお伝えします。
1. 「エグジット経験」は市場価値を劇的に変える
まず事実として、IPO・M&Aの経験を持つ人材の市場価値は非常に高いです。 特に以下のようなポジションでの経験は、転職市場で“再現性のある成功体験”として評価されやすい傾向にあります:
- IPO準備期のCFO/経営企画責任者
- M&A実行後の統合マネジメント(PMI)責任者
- 投資家・外部取締役と連携しながらの事業成長をリードした事業責任者
ある40代前半のCFO候補は、IPO直前での上場延期という厳しい経験を乗り越えたことで「修羅場を知っている」と評価され、PE投資先のCFOに転職。年収は1.5倍以上にアップしました。
2. 投資先・スタートアップ転職のメリット
私たちが現場で見てきた限り、エグジット前提の企業に転職する最大の魅力は次の3つです:
- 大きな裁量とスピード感:組織が小さいほど意思決定が早く、経営視点を身につけやすい
- ストックオプション等の金銭的リターン:IPOやM&A時に経済的成果を得られるチャンスがある
- 非連続な成長フェーズを経験できる:通常の企業では得られない「0→1」「1→10」の組織づくりに関われる
実際に、弊社で支援したスタートアップのCOO候補は、入社時に役職・報酬とも控えめでしたが、事業拡大とともに取締役に昇格し、上場時には数千万円規模のキャピタルゲインを得ました。
3. 想定すべきリスクと「見極めポイント」
一方で、エグジット狙いの転職には明確なリスクもあります。
- 実態のないIPO計画やExit前提:実は投資家が本気でExitを狙っていないケースもある
- 役員間の衝突や組織の未熟さ:CxO同士のすり合わせ不足による機能不全
- 成果が可視化されづらいタイミングでの離脱リスク:途中離任では評価につながりにくい
私たちは候補者とともに、以下の観点で慎重に案件を見極めています:
- ファンドや投資家のExit戦略の具体度(過去の実績・持ち株比率など)
- 経営陣の信頼関係と役割分担の明確さ
- ストックオプションの付与条件(行使価格・バリュエーション・退職時の扱いなど)
4. エグジット経験を「キャリア資産」に変えるには?
エグジット経験は、“成果”として語るだけでは不十分です。
- どのフェーズで入り、何を変え、どう結果につなげたか?
- 修羅場や混乱の中で、どのような意思決定を行ったか?
- 自分の再現性と成長性を、次の組織にどう提供できるか?
この“ストーリー”としての言語化ができて初めて、経験は価値に変わります。
弊社では、候補者の方がこうした経験を棚卸しし、次のチャンスにつなげる支援を行っています。
◆ 最後に
IPO・M&Aを前提とした転職は、夢のある反面、情報の見極めと覚悟が求められます。
単なる「上場するらしい」や「Exitするかも」といった話に飛びつくのではなく、自分がそのストーリーの中でどう価値を発揮できるかを見極めること。
そして、結果以上に「プロセスにどう向き合ったか」を語れる人こそ、次のキャリアでより大きなステージに立つことができます。
私たちは、表に出ない“投資家の本音”や“経営陣の温度感”まで踏まえ、最適な機会をご提案しています。ぜひ、ご自身のキャリアに「エグジット」という視点を取り入れる際には、一度ご相談ください。

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