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【グローバル転職の現実】海外で通用するエグゼクティブの条件とは?
2025.05.26
求職者向け

― 海外勤務の実態と、選ばれる人が持つ視座とは
「海外で働いてみたい」「グローバルに通用するビジネスパーソンになりたい」
こうした声を聞くことは多いですが、実際にグローバル企業で活躍できるエグゼクティブには、明確な“共通項”があります。
私たちは、グローバル展開する日系企業や外資系企業、またPEファンド投資先の海外進出案件など、様々な海外ポジションのサーチ支援を行ってきました。その中で感じるのは、「語学力」や「海外経験」だけではない、本質的な“視座”と“覚悟”が問われるということです。
本記事では、海外勤務の実態と、通用する人材の条件を弊社の実体験をもとにお伝えします。
1. 語学力よりも「意思決定力」
ある日系大手のアジア統括責任者ポジションで、TOEIC満点クラスの候補者が面接を通過できなかったことがありました。
理由は、「発信力が弱く、現地チームをリードできるイメージが持てなかった」から。
語学力は“道具”であり、それを使って「意思決定し、実行する力」が最も重視されます。
グローバル企業においては、
- 複数の文化背景を持つチームでリーダーシップを取れるか
- 異なる価値観の中で、ブレずに判断を下せるか
- 自らの意見を相手に合わせず、論理と情熱で伝えられるか
といった点が、国内以上にシビアに見られています。
2. 「現地任せ」ではなく、「現地と共創」できるか
弊社が支援したPEファンド投資先のケースでは、東南アジア拠点のCEOポジションで、現地に溶け込みながらも、冷静な数値管理とグローバル経営との橋渡しができる方が求められていました。
最終的に抜擢されたのは、30代後半の元商社マン。彼は、現地スタッフに対して
「日本のやり方を押し付けるつもりはない。だから一緒に仕組みを作ろう」
と語り、現地チームの信頼を一気に獲得しました。
今、グローバルに求められているのは「支配型の駐在員」ではなく、「共創できるビジネスパートナー」です。
3. キャリアアップとしての“海外”に潜む誤解
「海外経験があれば履歴書が映える」――その考えだけで飛び出す方もいます。
しかし実際には、
- 現地に意思決定権がない
- 経営判断が本社主導で裁量が狭い
- 駐在手当は厚いが、実務的な成長が薄い
というケースもあります。キャリアとして“意味のある海外経験”を得るには、
- どのフェーズの組織か(立ち上げ/拡大/再生)
- 自分の判断がどれだけ通るか(裁量権)
- 3年後に戻った時、どう評価されるか
といった観点で見極めることが極めて重要です。
4. 「海外で活躍できる人材」とは?
私たちが現場で見てきた「通用する人」には、以下のような共通点があります。
- 柔軟だがブレない判断軸を持っている
- 異文化に対する敬意と好奇心がある
- 不確実性の中で行動を止めない
- 成果より「信頼の蓄積」に価値を置いている
とある外資系企業でアジア全域を統括する日本人COOは、現地メンバーとの1on1に月100時間近くを投じて信頼を構築し、売上を前年比2倍に伸ばしました。言葉よりも、行動でチームに向き合える人が活躍しています。
◆ 最後に
海外勤務は、キャリアを一変させるチャンスです。しかし、それは“自分を試す場”であり、“逃げ場”ではありません。
語学力やスキル以上に、「異質な環境の中で、どこまで自分を保ち、他者と融合できるか」が問われます。
私たちは、表面的な案件紹介ではなく、その人にとって“意味のある海外経験”をともに設計することを大切にしています。
グローバルに挑戦することに少しでも興味がある方は、ぜひ一度お話ししましょう。

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