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【本質解説】エグゼクティブ層が辞める企業の共通点とは?
2025.05.16
企業向け

― 優秀人材が去っていく“経営者の盲点”
「良い人を採ったはずなのに、半年で辞めてしまった」 「本人のパフォーマンスに問題はなかったのに、突然の退職」
私たちは、こうしたご相談を経営者から受けるたびに、“もったいない”と感じます。実は、エグゼクティブ層の離職は「本人の問題」ではなく、「受け入れ側の組織構造やコミュニケーション不全」に起因することが非常に多いのです。
本記事では、弊社が実際に見てきた“エグゼクティブが辞める企業”の共通点を挙げながら、経営者が気づきにくい落とし穴を明らかにします。
1. 「任せる」と言って“任せきれていない”
経営者がよく口にするのが、「任せたいと思っていた」という言葉。
しかし、現場では「思ったより裁量がない」「意思決定に口を出される」「重要なことが後出しで共有される」といった声が聞かれます。
弊社が支援したCFOの事例では、社長が「全幅の信頼を置いている」と語っていたにもかかわらず、資金調達や上場準備の場面で最終判断を全て自分で握っており、CFOが実質“補佐役”になっていました。
結果、その方はわずか10ヶ月で退職し、「これはCxOポジションではなかった」と語っていました。
2. オンボーディングを“勝手にできる前提”にしている
ハイレイヤーだからといって、入社初日からフル稼働できるわけではありません。
- 組織の歴史や文化への理解
- 社長との信頼関係の構築
- 暗黙知の引き継ぎ
これらを丁寧に設計しなければ、優秀な人材でも力を発揮できません。
弊社が関わった企業では、CHROとして迎えた方に対し、社長が「あなたなら分かるはず」と曖昧な指示しかしなかった結果、方向性の齟齬が生まれ、わずか半年で退任となりました。
オンボーディングは「放置」とは違います。エグゼクティブにも“迎え入れる戦略”が必要です。
3. 経営陣間で“役割の線引き”が曖昧
CxOの離職理由として最も多いのが、社内の「権限・責任の曖昧さ」です。
- COOと営業本部長の管掌が重複している
- CFOと経理部長が実務を奪い合っている
- 経営会議で誰が何を決めるのかが不明瞭
弊社の実体験でも、組織図上のポジションは明確でも、社長や既存幹部の“影響力の大きさ”が候補者を萎縮させ、結果として「役割が発揮できない」と辞退・退職に至ったケースがあります。
4. 「思い」だけで“報酬設計”が伴っていない
スタートアップや中堅企業では、「やりがい」や「成長環境」に共感し、年収を下げて入社される方も少なくありません。
しかしその一方で、入社後に“言っていたSOが出ない”“成果に対する報酬が曖昧”という状況が起こると、信頼関係は一気に崩れます。
ある候補者は、「社長の熱意には共感したが、制度が追いついておらず、こちらの覚悟だけが空回りした」と語っていました。
エグゼクティブ採用においては、熱意と同じくらい“条件設計の整合性”が重視されます。
5. 「ビジョン」や「出口戦略」の共有不足
優秀な人材ほど、「今どこにいて、どこに向かうのか」が見えていない状況を嫌います。
- 上場するのか、売却するのか、それとも長期保有か
- 3年後にどんな組織規模を目指しているのか
- その中で、自分に求められるミッションは何か
これらがぼやけていると、「戦略なき戦い」に巻き込まれるリスクを感じてしまい、モチベーションが維持できません。
弊社では、経営陣から直接「今、社内で誰にも話せていないけど実は…」という情報まで把握し、候補者に説明することで納得度を高め、入社後の定着率を高めています。
◆ 最後に
エグゼクティブ人材の離職には、必ず“組織側の構造的課題”があります。
「この人は合わなかった」「期待外れだった」と済ませる前に、自社の受け入れ体制・情報共有・報酬設計を振り返ってみてください。
私たちは、採用の成否だけでなく、「入社後の活躍・定着」までを見据えてご支援しています。
優秀な人材に“去られない企業”を一緒に創っていきませんか?

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