
最新情報
【現場のリアル】「この仕事、やっぱりやめられない」―ヘッドハンターとして働くということ
2025.06.11
求職者向け

「人の人生を変える仕事」――そう聞くと、ちょっと大げさに聞こえるかもしれません。私自身、最初はそう思ってい【現場のリアル】「この仕事、やっぱりやめられない」―ヘッドハンターとして働くということ
「人の人生を動かす仕事」と聞くと、やや大げさに感じられるかもしれません。
しかし、ヘッドハンティングはまさにその中心にある仕事です。
私は現在、経営層やハイレイヤー人材を対象とした転職支援を行っています。これまで多くの企業と候補者の意思決定に関わってきましたが、正直なところ、当初はここまで深く関与する仕事だとは思っていませんでした。
■「やりがい」は、“人の想い”に触れたときに生まれる
ある日、面談したのは40代の経営企画部長。年収は2,000万円を超え、順調なキャリアを歩んでこられた方でした。
最初に発せられた言葉は、
「このまま会社にいても、自分の価値はもう伸びない気がしていて…」
表面的には順風満帆でも、本人の中では葛藤があることが伝わってきました。
私たちはその方にとって最適な環境とは何かを考え、検討を重ねました。
結果的にご紹介したのは、地方の成長企業におけるCOO候補ポジション。年収は下がる条件でしたが、ご本人は納得のうえで意思決定されました。
「この会社で挑戦してみたい」
数か月後、その企業の経営者から、
「彼が入ってくれて、会社が良い方向に変わってきた」
という言葉をいただき、紹介の意義を実感しました。
■ 候補者も企業も、マニュアル通りにはいかない
ヘッドハンティングの現場には明確な“正解”がありません。
求人票がないケースも多く、選考プロセスも企業によって異なります。
候補者と接する際は、表に出てこない本音や不安に気づけるよう意識します。
企業と話す際も、単にスキルが合うかではなく、その人物が実際に組織になじみ、機能するかを多角的に見極める必要があります。
うまく進まないケースもありますし、丁寧に進めた案件が最終段階で見送られることもあります。
それでも続けているのは、この仕事が持つ意味の深さを感じているからです。
■ ヘッドハンターの仕事は“本音”に向き合うこと
この仕事の本質は、転職という機会を通じて、人の本音や価値観に触れる点にあります。
表向きには「条件」「仕事内容」といった理由が語られても、実際には以下のような背景があることが少なくありません。
- キャリアの方向性に迷っている
- 家族との将来を考えている
- 健康や働き方を見直したい
- 社会的な貢献を意識し始めた など
こうした想いを正面から受け止め、信頼関係を築くことが求められます。
■ 最後に:私たちは“未来を翻訳する存在”でありたい
社会や経済の変化が速い今、人材の流動性も高まっています。
人々は「自分の価値とは何か」、企業は「誰と未来をつくるか」を、より真剣に考えるようになっています。
私たちヘッドハンターは、単なる仲介者ではなく、「未来の選択肢を言語化する役割」を果たす存在でありたいと考えています。
誰かが一歩踏み出すとき、冷静に、誠実にその背中を支えられるよう、これからもこの仕事に取り組んでいきたいと思います。

Contact
お問い合わせはこちら