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【注目】人的資本経営時代におけるエグゼクティブの価値とは?
2025.05.26
求職者向け

― 経営視点で「人」を捉える力が求められる理由
「人的資本」という言葉を耳にする機会が、ここ数年で急激に増えました。 特に上場企業を中心に、人的資本の“開示義務化”が進んだことで、「人材」に対する企業の姿勢が、IRや採用・報酬にも直結する時代になったと言えます。
私たちは、企業の経営者・CHRO・ファンド側人事責任者などと日々対話を重ねていますが、特にハイレイヤー人材にとって「人的資本経営」をどう捉え、どう自身の価値と結びつけるかは極めて重要なテーマになっています。
この記事では、経営視点からの人的資本の意味、そしてエグゼクティブとしての関わり方について、弊社の現場感と私見を交えて解説します。
1. 「人件費」から「投資」への視点転換が起きている
従来、企業にとって人材は「コスト」として捉えられることが一般的でした。 しかし今は、人的資本の開示義務を背景に、
- 採用・育成・配置の戦略性
- エンゲージメントの定量評価
- 離職率やダイバーシティの開示
など、“人にいくら投資し、どう成果を出しているか”が、企業の成長性・持続性の指標として評価されるようになっています。
ある上場企業のCHROが私たちにこう語ったことがあります:
「資本市場が見るのは人件費の金額ではなく、人材投資の回収効率だ」
この言葉は、今の時代を象徴していると感じます。
2. エグゼクティブこそ「人的資本の体現者」である
ハイレイヤー人材は、単に自らが成果を出すだけでなく、
- 組織の生産性をどう高めたか
- メンバーの成長機会をどう作ったか
- チームとしてどのようなアウトカムを生んだか
という“人を通じた価値創出”が評価対象になります。
弊社が支援したPEファンド投資先の経営企画責任者ポジションでも、選考時に強く問われたのは、
「どんな組織状態をどう変え、どう再現性ある仕組みに落とし込んだか」
という問いでした。
エグゼクティブ自身が「人を資本と捉えてマネジメントできるかどうか」が、今や企業の中核評価軸になりつつあるのです。
3. 「人的資本」は定量評価され、報酬にも影響する
今後ますます増えると予想されるのが、エグゼクティブ報酬における人的資本KPIの導入です。
- 離職率の改善
- 後継者育成の進捗
- マネジメント層のDE&Iスコア
など、「人の健全性」を数字で捉える指標が、CxOの評価に反映される動きが現実に始まっています。
弊社クライアント企業の中でも、CHRO・COOクラスに「ピープル関連KPI達成によるインセンティブ加算」を導入する事例が増えています。
これにより、「人を育てられるCxO」ほど、報酬面でもリターンが高くなる構造ができつつあります。
4. 求職者として持つべき“視座”とは
求職者側としても、自分を「人的資本の投資対象」としてどう説明できるかが鍵になります。
- 自分がチームや部門に与えた“長期価値”は何か?
- 人の成長・仕組みの改善にどれだけ意識を向けてきたか?
- 「私がいればチームがこう変わる」と語れるか?
単なる「職務経歴」ではなく、「人を活かす資本としての役割」を自ら言語化できる人材こそ、これからの企業が最も欲しがる存在です。
◆ 最後に
人的資本経営とは、一部の人事部門だけの話ではありません。
エグゼクティブ自身が「人材をどう見て、どう価値化するか」を理解し、実践できるかが、今後のキャリアの成否を分ける時代です。
私たちは、単なるスキルマッチではなく、「その方が持つ組織影響力」や「人を動かす力」に注目した支援を行っています。
ご自身のキャリアを、単なる“成果”ではなく“人的資本”として捉え直してみたい方。 ぜひ一度、私たちとお話ししましょう。

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