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【実録】転職で後悔しないためのキャリア戦略とリスク管理
2025.05.26
求職者向け

― 年収や肩書きだけでは語れない、ハイレイヤー転職成功の思考法
「この年収なら、悪くないと思って…」
過去にそう語る候補者が、入社半年で再度の転職相談に来られたことがありました。表面上は好条件の転職でも、本人のキャリア戦略と一致していなければ、満足度も成果も得られない――。
私たちは、日々ハイレイヤー人材の意思決定に伴走する中で、「どのような考え方を持つ人が成功しているのか」「どのような点で失敗が起きるのか」を肌で感じています。
今回は、転職を通じて中長期的なキャリアを築くための戦略と、見落とされがちなリスク管理の要点についてお伝えします。
1. キャリア戦略の軸は「再現性」と「物語性」
ハイレイヤー層の方にまずお伝えしたいのは、転職は「次の役職」ではなく、「次の10年の自分」を考える機会だということです。
私たちが支援したある40代の事業責任者は、あえて年収ダウンを受け入れてベンチャーに転職しました。その理由は、
「今後の市場では、自分がゼロから事業を作った経験が必ず武器になると判断した」
この方は結果的に、新規事業の立ち上げと黒字化に成功し、約3年後にCBO(Chief Business Officer)に昇格。
本人の判断は、年収ではなく“経験の資産価値”に基づいていました。
2. 「リスク」は必ず発生する前提で動く
多くの方が、「転職で失敗したくない」とおっしゃいます。しかし本質的には、“リスクゼロの転職”は存在しません。
では、どう備えるか?
弊社では、候補者と以下のような視点を必ず共有しています:
- 事業リスク:属人的に支えられていないか、売上の柱が限定されていないか
- 組織リスク:キーパーソンが退任予定ではないか、社内政治が激しくないか
- キャリアリスク:万が一うまくいかなかった場合、自身の市場価値はどうなるか
これらを“前提として受け入れた上で選べるかどうか”が、転職判断の質を大きく左右します。
3. 意外と盲点になる「カルチャーとの適合」
年収・役職・ミッションが魅力的でも、カルチャーにフィットしなければ本来の力は発揮できません。
ある50代のCOO候補は、業務内容には魅力を感じていましたが、面接を通じて「フラットで議論的な文化が合わない」と気づき、辞退を決断されました。
この判断が功を奏し、半年後により自分らしく活躍できる企業にCxOとして入社。カルチャーフィットが働きがいや成果に直結することを、改めて実感した事例でした。
4. 経営目線で“逆算”することが鍵
転職を成功させている方に共通しているのは、「経営者視点で意思決定している」ことです。
- このポジションは、3年後にどう評価されているべきか?
- 自分のジョインで企業はどんな変化を期待しているか?
- 退任する際、どんな成果を残せていれば誇れるか?
こうした逆算思考を持っている方は、面接でも経営層と深い対話が成立し、信頼を得やすい傾向にあります。
◆ 最後に
転職は、ハイリスク・ハイリターンの意思決定です。
しかし、自身の軸を明確に持ち、冷静にリスクと向き合い、未来から逆算して判断できる人ほど、転職を“キャリアの成長装置”として活かしています。
私たちは、候補者の”その後”まで見据えたご支援を重視しています。単なるマッチングではなく、「この人のキャリアに、この一手がどうつながるか」を共に考えてまいります。
ぜひ、ご自身の軸を言語化するきっかけとして、私たちをご活用ください。

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