― 地域性・生活・教育面など、首都圏からの転職を促すには？

「地方だから難しい」

これは地方企業の採用担当者からよく聞く言葉です。しかし、私たちの実感としては、地方でも“響く提案”ができれば、優秀なハイレイヤー人材の採用は十分に可能です。

実際、弊社では首都圏から地方へのCxOクラス転職を多数成功させてきました。その中で見えてきた“成功パターン”には、5つの共通項があります。

本稿では、地方企業がハイレイヤー採用を成功に導くための具体的な鍵を、弊社の実体験を交えてご紹介します。

---

1. 「生活のリアル」を具体的に伝える

地方転職で最も気にされるのは、“仕事”ではなく“生活”です。

• 子どもの教育環境（中学受験やインターナショナル校の有無）
• 医療機関や買い物環境
• 首都圏との交通アクセス

弊社が支援したある四国の企業では、候補者に対して“住環境ガイド”を事前送付し、地元の私立校情報や通学ルートまで含めて可視化。これが家族の安心感につながり、意思決定を後押ししました。

---

2. 「転職後の成長イメージ」を首都圏以上に描く

地方企業は首都圏と比べて「成長機会が少なそう」と思われがちです。

この先入観を覆すには、以下のような打ち出しが有効です：

• 「全社改革の旗振り役」という明確なミッション
• 「変革を主導できる裁量の大きさ」
• 「自分が変えた結果が経営に直結する感覚」

弊社が支援した九州のメーカーでは、経営企画責任者のポジションで「M&A戦略の主導」がテーマでした。首都圏では経験できない規模の意思決定を担える点が候補者に刺さり、入社につながりました。

---

3. 「家族・パートナーへの配慮」を採用戦略に組み込む

地方転職では、候補者本人よりも“パートナーの理解”がハードルになるケースが多々あります。

以下のような工夫が有効です：

• 配偶者同伴の会社見学ツアーを実施
• 家族向けオリエンテーション（住まいや教育の説明）
• 転職後の2週間程度の“仮住まい支援”

ある中部地方の企業では、配偶者が教育現場の仕事を希望していたため、地元の教育委員会と連携して職場紹介を行い、家族全体の納得感を創出できました。

---

4. 「地方企業ならではの社会的意義」を伝える

首都圏からの転職を決断させるには、“ロジック”だけでなく“意義”が必要です。

• 地元経済を支えるインフラ事業への貢献
• 地域雇用を生む製造業の再生
• 伝統産業の承継と革新

弊社が支援したある地方の酒造会社では、「文化継承×グローバル展開」というストーリーに共感し、商社出身の候補者がジョイン。結果、欧州向けの販路拡大プロジェクトを成功させました。

---

5. 「採用プロセスの誠実さとスピード」

地方企業は、「採用に対する本気度」を伝えることで信頼を獲得できます。

• 応募から1週間以内の1次面談設定
• 経営者からの直電やパーソナルメッセージ
• 現場社員との座談会や体験入社機会の提供

ある新潟の企業では、面接後すぐに経営陣全員から直筆の感謝メッセージを送付。これが候補者の心を動かし、他社との選考を辞退する決断に至りました。

---

◆ 最後に

地方企業だからこそ、“真摯な採用設計”が差別化要因になります。

弊社は、地方企業が都市部からハイレイヤー人材を呼び込むための「設計支援」「家族巻き込み支援」「生活情報提供」までを一気通貫で行っています。

人が動くのは、数字や条件ではなく、“人の想いと誠意”です。

地方でこそ、人材採用はもっと“可能性”を秘めています。